都議選・自民大敗 政治液状化に対備せよ 危険なポピュリズム台頭 理念なきムード選挙に
来たる総選挙の行方を占う東京都議会議員選挙は七月十二日の投票の結果、民主党が大躍進し、自民党は惨敗、与党は勝敗ラインとされた過半数を割り、麻生政権は崖っぷちに立たされた。都議選結 果がそのまま次期総選挙に反映すれば自民党の惨敗は必至で、民主党政権の誕生が一段と現実味を帯びてくる。都議選では理念や政策、人物がまったく顧みられず、民主党候補なら誰でもよいといった恐るべきポピュリズム(衆愚政治)的なムード選挙一色となった。日本政治は衆愚政治の危機を一層深めており、政治液状化に対備する必要がある。
東京都議会議員選挙(定数127)は民主党が改選前34議席から大幅に躍進し54議席を獲得、初の都議会第一党に躍り出た。一方、自民党は改正前48議席から38議席に激減、候補者全員23議席を維持した公明党と合わせても勝敗ラインの過半数(64議席)に達せず、 麻生政権は一段と追い込められた。 投票率は前回の43・99%を10・5%上回る54・49%で、「東京から の政権交代」を主張した民主党へ無党派層が雪崩現象を起こした。民主党候補の政策や理念、人物などお構いなしに「何でもいいから民主党」といった投票姿勢が露骨に現われていた。無党派層が民主党に雪崩を打った影響を受けて共産党も13議席から8議席へと歴史的大敗を喫した。
無党派層が雪崩現象で民主党へ都議選は常にミニ国政選挙の様相を呈した。一九七〇年代以降の議席推移図を見れば一目瞭然だ ろう。七〇年代から八〇年代にかけて都議会自民党は定数127議席の中で50議席台を確保し続けてきたが、八九年の都議選で自民党は国政の影響をもろに受け前回比13議席減の43議席に転落した。 敗因はリクルート事件〜
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