中国「軍事膨張」は不変 実質22年連続2ケタ増に 空母・ICBMなど別予算 日本のシーレーン危機
2010年度の中国の国防予算案は前年度実績比7・5%増となったことが3月5日から開かれた全国人民代表大会(全人代=国会)で明らかになった。国防予算は天安門事件以降、21年にわたって前年度比2ケタの伸び率が続いてきたが、今年は1ケタ増に鈍化〞した格好だ。だが、これをもって中国が軍拡を緩めたと捉えてはけっしてならない。国防予算案は実質的には2ケタ増で、しかも空母建造費や最新鋭の大陸間弾道弾(ICBM)も別予算に粉飾している。全人代では台湾武力侵攻を前提にした国防動員法も制定、共産党の独裁維持策を強化するなど「軍事覇権」の野望を一層露わにしている。 全人代の李肇星報道官(前外相)は3月4日、10年度の国防予算案が前年度実績比で7・5%増の5321億1500万元(約6兆8900億円)になると明らかにした。 国防予算は天安門事件の1989年以降、21年間にわたって2ケタの伸び率になっていたが、10年度は1ケタになり、李報道官は「ここ数年と比べ、国防費の伸びは低下した」と強調。これを真に 受けた一部メディアは中国が国際社会の「脅威論」に配慮して軍事増を抑えたなどと報じた。 だが、これはまやかしにすぎない。10年度の国防費は以下のように見るべきである。 第1に、発表したのは「前年度実績比」で、例年どおり当初予算ベースで見ると12・5%増になり、実質的には22年連続の2ケタ増となっているということである。 09年度の国防費が当初予算より大幅に増額されたのは、昨年10月の建国60年に合わせて大軍事パレードを行うなど臨時支出が多かったからと見られ、これを加えた「前年度実績比」で見ると、1ケタ増にとどまっただけの話である。 ストックホルム国際平和研究所のデータによると、中国の国防費は1999年から2008年までの10年間で194%と驚異的な伸びを示しており、仮に伸び率が若干鈍化しても、国防費の絶対 額は非常に増大している。世界主要15カ国のこの間の国防費は 44・7%増だが、日本は逆に1・7%減少している〜
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