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  2007-04-15 中露首脳会談

「軍拡」へ思惑が一致/米に対抗、欧日牽制

大陸同盟の色彩濃厚に

 

【ポイント】

 米国がイラクに手こずっている間に中露の戦略的関係を強化し「パックスアメリカーナ」を切り崩して日欧にも圧力をかけるー、そんな本音が聞こえてきそうな中露首脳会談だった。中国の胡錦濤国家主席は3月26日、モスクワを訪れプーチン露大統領と会談、軍事やエネルギー分野の協力強化などをうたった中露共同声明に調印した。戦略的関係強化の狙いは何かー。

 

【本文】

 ロシア政府は今年を「中国年」としており、その開幕式典に出席するため胡主席はモスクワを訪問、それに合わせて中露首脳会談が開かれた。昨年は中国で「ロシア年」があり、これらは中露の蜜月を象徴している。

むろん、中露はお互いを利用し合う戦略的関係にすぎないが、米欧日の民主主義陣営に対抗する点では思惑は完全に一致しており、大陸同盟的色彩を濃くしている。

胡主席とプーチン大統領が調印した共同声明は、@主権・領土保全問題の協力Aエネルギー企業間の共同事業の推進B不法移民対策の協議C国連改革での認識共有Dイラン核問題の平和的解決E北朝鮮核問題の外交的解決F上海協力機構(SCO)による中央アジア諸国との協力強化G中露印3カ国の協力拡大―などだ。

首脳会談で注目されるのは軍事協力の強化である。会談後、プーチン大統領は「中露が結束して中央アジア、アジア太平洋地域の安全保障強化に貢献する」と強調、胡主席は「パートナーシップの強化と安全保障面で協力することで合意した」と述べ、両首脳とも安保協力前進を誇示した。

 

■中国、露製兵器で軍ハイテク化

中国の狙いは明白で、ロシアからハイテク武器とエネルギーを手に入れるところにある。ソ連崩壊後、ロシアは外貨獲得のため武器輸出に走ったが、その一環で中国は92年、最新戦闘機SU27(フランカー)を買いつけて露製ハイテク技術を取得、90年代に飛躍的近代化を遂げてSU27と同30のライセンス生産に入れた。

そして今年1月、独自の最新戦闘機「■10」の大量配備を発表した。「■10」は米国の主流戦闘機F16と同等かそれ以上の能力を有する。このため米軍は急きょ、沖縄・嘉手納基地に最新鋭機F22を配備したほどだ。

中国はロシアから飛行制御技術や電子戦闘能力、ステルス機、艦船搭載機などを可能にするハイテク軍事技術のほか、大量の爆弾・核ミサイル搭載可能の超音速爆撃機ツポレフ(Tu)22Mバックファイアーを手に入れたがっている。

またステルス戦闘機「■14」の開発を進めている。同機は米軍のF22に対抗するもので、これら最新鋭機導入が実現すれば、台湾海峡から東太平洋の軍事バランスが大きく崩れ、中国優位の構図が生じるとされる。

中国海軍もロシアのキロ級潜水艦(93年)、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦(96年)の購入を足場にハイテク技術を取得、04年からは独自の“イージス艦”を配備するに至った。

そして今年3月、海軍幹部が2010年までに空母を完成させると言明(文■報3月7日付)。温家宝首相は全人代の政府活動報告で「軍のハイテク化」を強調したが、その調達源はロシアにほかならないのだ。

 

■中露共同で火星探査も

中露は09年に共同で火星探査を実施することにも合意しており、大型宇宙プロジェクトを通じて中国は宇宙技術の取得にも乗り出す。今年1月に中国は衛星破壊ミサイル実験を行なったが、宇宙軍拡に拍車が掛かるのは必至だ。

エネルギーも中国はロシアからの大量輸入を目指す。原油輸入は昨年、前年比20%増の約1600万トン(全輸入量の11%)になったが、さらなる増加を期している。

昨春の首脳会談で合意している東西シベリアからの天然ガスパイプライン建設を速め2011年頃から供給を開始し、日本と競合する東シベリアからの石油パイプラインについては中国への支線建設の優先、極東サハリンでの天然ガスの共同開発を胡主席はプーチン大統領に要請した。

 

■露は武器輸出の戦略的外交

一方、ロシアは中国への武器・エネルギー輸出によって外貨が獲得でき、同時に米欧を牽制する中国カードを切れる一石二鳥の利点がある。

昨年の武器輸出は65億ドル(約7900億円)と過去最高額となったが、その62%は中国とインドだ。これは05年度の74%から下がっているが、輸出量そのものは減っていない。反米チャベス政権のベネズエラへ戦闘機などを輸出するなど南米や中東への武器輸出が増加したからだ。

プーチン大統領は3月にサウジアラビアなど中東諸国を歴訪、ここでも米製から露製武器への転換を求める「武器輸出外交」を展開した。旧ソ連は武器輸出を契機に軍顧問団を送り、その国を東側陣営に取り込んでいくのを常套手段としたが、プーチン大統領はそれを踏襲、「米国一国支配」を切り崩そうとしている。

むろん、中国へのハイテク武器輸出もそうだ。中露首脳会談では合同軍事訓練の実施にも合意した。前回の05年8月の合同訓練は中国で行なったが、今年7月にはロシアで実施、中露だけでなく上海協力機構に加わる中央アジア諸国にも参加を求めている。

 

■INF条約の破棄も目論む

 ロシアはEUの東方拡大に不快感を抱き、とりわけ旧東欧諸国が米主軸のNATO(北大西洋条約機構)に加わることを極度に警戒している。

米国はイランが2015年までに米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を配置すると見越し、ポーランドに地上配備の長距離迎撃ミサイル(GBI)10基を配備する発射基地、チェコにそのためのレーダー施設を建設することで両国と合意している。

これに対してロシアは、対イランは偽装でロシアのミサイル迎撃が本当の狙いだとして猛反発、配備反対を声高に叫んでいる。だが、ロシアのICBMは北極海から米本土に向かうので東欧配備の米迎撃ミサイル配備は何ら影響を及ぼさない。これを口実にロシアは中距離核戦力(INF)全廃条約からの脱退を目論んでいるのだ。

ロシアの軍事アナリスト、パーベル・フェリゲンガウエル氏は「今日のロシア空軍は弱い。INF条約から脱退すれば、空軍力を補完するため今年から配備が始まる新型ミサイル『イスカンデルM』(射程300500キロ)の射程を延ばし、ミサイル部隊の能力を飛躍的に伸ばすことができる」(毎日新聞3月1日付)と指摘している。

こうした米欧対決にもロシアは中国の後ろ盾が不可欠なのだ。中露の戦略的関係は限りなく同盟関係化へと進んでいくことになると見られ、さらなる警戒が必要だ。

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