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   2006-11-16 [緊急提言] 教育基本法の改正実現を
 

参院で修正しベスト案をめざせ

 

今臨時国会の最大の焦点となっている教育基本法改正案が1116日、衆院本会議で野党欠席のまま与党などの賛成多数で可決、参院に送付されました。野党が審議拒否を続けている以上、与党単独採択も仕方ありません。民主党は同法改正の必要性を認めながら、なぜ与党との協議を一切拒否しているのでしょうか、きわめて疑問です。これではいつまで経っても改正されません。政府案にも問題点がありベストではありませんが、そうした点は参院で修正し、あくまでもベスト案を目指すべきです。今国会で必ず教育基本法の改正を実現させねばなりません。

 

■現行法の問題点

教育基本法はどのような経緯で改正論議が起こってきたのでしょうか。制定当初からさまざまな論議を呼んできましたが、本格的な改正論議が出てきたのは90年代以降です。神戸少年刺殺事件など少年凶悪事件が相次いで発生し、戦後教育への疑問が高まったからです。01年、森内閣は「教育改革国民会議」を設置。同会議は少年非行の凶悪化・低年齢化、ゆとり教育での学力低下、公共心の欠落などを是正するため基本法を見直すことを提言しました。これを受けて03年、中央教育審議会(中教審)は教育基本法に「公共の精神」「道徳心」「郷土や国を愛する」を盛り込む見直し策を答申。今年の通常国会には政府と民主党がそれぞれ教育基本法改正案を提出しました。改正では与党と民主党は認識が共有しているはずです。社民や共産党のような何でも反対党であってはなりません。

 教育基本法には次のような重大な問題点があります。前文や教育の目標で「個人の尊厳」ばかりをうたい、「個性豊か」や「個人の価値」を尊ぶなど「個人」を全面的に打ち出しているところです。それによって子どもたちに自己中心的、エゴイズムの「私」ばかりを重要視させて、「公」に対する義務を軽視させ「為に生きる精神」を喪失させてしまいました。

また個人の価値や利益を越えた「公益」や「全体の価値」すなわち共同体としての国民的一体感(ナショナル・アイデンティティ)の養成を怠り、歴史や文化、伝統を軽視し、郷土愛や愛国心も奪ってきました。さらに基本法は家庭の価値をかえりみず、人としてのあるべき徳目から目をそらさせ、教育荒廃を解決する適切な指針となり得ませんでした。そのうえ宗教的情操教育を否定することで生命の根源に対する畏敬の念を失わせ、道徳教育を形骸化させ心豊かな子供たちを育てられませんでした。また「不当な支配に服せず」との条文によって学校の“左翼乗っ取り”を許してきました。

 

■改正案の評価

これに対して通常国会に提出された政府案と民主党の改正案は次のように評価できます。両案とも前文に「公共の精神」を追加し「伝統」の尊重を盛り込み、「家庭教育」の条文も設けています。政府案は愛国心について「心」とせずに「態度を養う」とし、宗教的情操について「宗教の一般的な教養」を入れ微修正に終わり、民主党案は「宗教的感性の涵養」と踏み込んでいます。「不当な支配」について政府案は依然としてこの文言を残し、民主党案はこれを削除しているものの、一部イデオロギー集団の不当な干渉を招きかねない「学校理事会」の設置をあげました。ジェンダーフリー教育について政府案はこれを助長しかねない「男女平等」の「参画」を入れ、民主党案では子供の自己決定権を拡大させ、教育現場を混乱に陥れる「学ぶ権利の保障」条項を設けました。

このように両案とも中途半端かつ問題点が多々あります。これを本来は今国会で与党と民主党間で修正してベストな改正案を作り、成立させるべきと言えます。しかし与党は修正せず、また民主党は反対党の姿勢をあらわにして審議拒否を繰り返しています。教育は「国家百年の大計」であるだけに、こうした態度は遺憾です。

 

■民主党は教育再生の国民の期待を裏切るな

国会審議が進まないで改正案が廃案になるのは最悪のケースです。小沢民主党が与党との対話を拒否し、修正論議を行なわないのは教育改革を願う国民の期待を裏切るものです。参院では今国会の会期(1215日)を見据え、迅速な審議を進めるべきです。民主党は審議に参加し、政府案の修正を目指すのが責任野党としての態度です。さらに与党は政府案をベストな内容にするように柔軟な姿勢で修正にも応じることです。いずれにしても今国会で教育基本法を改正しなければ教育再生はあり得ません。

クョスコニョ    [1] 
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