憲法改正なくして 日本の未来なし 7・11参院選 逃避する民主党 マニフェストから削除 憲法審査会も始動させず

参院選ではもっぱら消費税が争点化され、社会保障や財政再建のあり方に注目が集まっている。だが、それ以前に問われているのは国家像、国家戦略の全体像のはずだ。これを明確にせず、場当たり的な施策では日本の未来は拓けない。参院選では各党は憲法観を明示し、国民に国家像を提示する責任がある。 ところが、肝心の民主党はマニフェスト(政権公約)から憲法項目を削除してしまった。これでは国家の建て直しができない。
世界は今、一大転換期を迎えている。リーマンショックによって米国の覇権が揺らぎ、EU(欧州連合)もギリシャ危機で喘いでいる。自由と民主主義を共通基盤とする米欧が衰退し、その隙を突いて独裁中国が覇権拡大を目論み、西太平洋に進出し、朝鮮半島では北朝鮮が核ミサイルの軍拡路線をひた走り、韓国哨戒艇撃沈事件まで引き起こした。 そうした影響がわが国を直撃しているばかりか、家庭基盤が崩壊して超少子社会に陥り、経済成長力も失われ未曾有の危機に瀕している。このような日本を取り巻く内外情勢への認識は共産主義正統を除いて各党はほぼ一致するだろう。 民主党のマニフェストも「閉塞感を吹き飛ばし、未来に対して希望を持つことができる新しい日本を始動することが、新政権に与えられた最大の使命」としている。 では、新しい日本は何をもってスタートするのか。それは新憲法の制定をおいて他にないはずだ。戦後体制を一新し、新たな国造りを始めるのは憲法改正によらねばならないからである。ところが、民主党は憲法問題からことごとく逃げてきた。 6月18日に閉会した通常国会では開催中に鳩山前政権から菅新内閣に交代したものの、菅首相の施政方針演説と野党の代表質問だけで終わり、論議から逃避した。菅首相の施政方針演説は「マニ フェスト破綻」を思わせるほど昨夏のマニフェストから変わっており国会での与野党論議は不可欠だった。にもかかわらず、民主党は国会を延長せず、参院選を急いだ。 菅首相は「第3の道」を口にするが、それはどのような国家像に基づくのか不透明なままだ。これでは骨がなく情勢に揺れ動き、修正を余儀なくされる。そのことは修正だらけで継ぎ接ぎの民主 党の参院選向けマニフェストが端的に示している。 民主党の不作為で憲法論議が停止に戦後、わが国は本質的な論議を避けてきた。だが冷戦後の国家像を放置できず、2000年に衆 参両院に憲法調査会を設置し、全党参加のもとで憲法条文の問題点や海外の〜 (以降は思想新聞をお読みください)
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