海洋覇権へ野望露わ 空母建造に着手(中国) ソマリア海域には艦船派遣 日本は「海洋防衛」急げ
中国が空母訓練船として利用する旧ソ連 から購入した空母「ワリャーク」
中国軍が今年から空母の建造を始めることが明らかになった。二〇一五年までに五万〜六万トン級の中型空母二隻の完成を目指しており、これによって東アジアの軍事バランスは大きな影響を受けるのは必至だ。中国は台湾統一を掲げ、二〇一〇年代に台湾海峡の軍事バランスを米軍優位から逆転させる考えで、空母保有はその布石と見られる。また領土紛争を抱える南沙諸島の覇権を目指し、さらに中国の権益に必要な地域を戦略領海と規定した「領海法」(九二年制定)で尖閣諸島や沖縄までも視野に入れ、西太平洋の覇権も狙っている。ソマリア海域での海賊対策のために中国海軍の艦船を初めて外洋に派遣したのもその一環で、我が国が戦後体制に呪縛されている間に海洋が中国共産党の支配下に陥りつつある。
報道によると(朝日新聞〇八年十二月三十日付朝刊)、中国軍は昨年秋までに「大航空母艦計画」を作成し、海軍総司令部内に専門部署を設置。上海市郊外の長江に浮かぶ長興島に〇八年秋に完成した世界最大規模の造船基地に空母建造用の大型ドックを設け、ここで建造するとしている。 空母は原子力でなく通常推進型で、広東省湛江に司令部を置く南海艦隊に配備される予定で、海南島三亜に専用の埠頭を建設。艦載用にロシア製戦闘機スホイ33を五十機購入する。また大連港にある旧ソ連空母「ワリャーク」(六万トン級=〇二年に中国海軍傘下の造 船会社が買取り、改修中)を近く訓練用に就航。大連に艦船機パイロット養成学校も設立された。 また報道では「台湾だけでなく、東海(東シナ海)、釣魚島(尖閣諸島)、南海(南シナ海)の問題の解決が差し迫り、我が国にとって空母の完成は絶対不可欠。我々や海外の華人の命を自らで守る ことで、外国人にさげすまれなくなる」(軍と関係の深い専門紙『大衆軍事展望』最新号)と中国軍の本音が紹介されている。
中国は南シナ海の南沙諸島(スプラトリー)ではベトナムやフィリピン、マレーシアと領有権を巡って争っているが、戦闘機の航続距離が届かないため空母を保有すれば軍事力を背景に実効支配ができると踏んでいる。尖閣諸島では昨年、中国は調査船を領海侵犯させ、軍事的支配の可能性を探っている。空母保有で軍事バランスを優位に転換させ、覇権拡大を目指すのは明らかである。〜
(以降は新聞を御覧ください)
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