シーレーン防衛に乗り出せ 護衛艦派遣の新法を 海賊対策が急務に 給油」だけでは不十分
護衛艦「あたご」海上自衛隊のホームページより
ソマリア沖で続発している海賊行為を取り締まるため国連安保理は、インド洋で「不朽の自由作戦(OEF)」に従事している連合任務部隊(米英仏独加パキスタン)に海上パトロールを求め、加盟国に海軍艦船や 軍用機の派遣を要請している。もはやインド洋での給油支援活動だけでは国際貢献が不十分だ。ソマリア沖海域にはわが国の死活を左右するシーレーンがあり今年、すでに七隻の日本船舶が襲撃されている。 ソマリア沖からインド洋、太平洋へと連なるシーレーン防衛に本腰を入れる時が来た。新たな法整備が必要だ海賊取り締まりの国連安保理決議はすでに今年六月に国連決議1838として採択されている。 決議はソマリア領海内で海賊行為の取り締まりを行う権限を加盟国に与え、アフガニスタンでの対テロ戦のためにインド洋に展開している連合任務部隊に対してアデン湾に海洋パトロール区域を 設置して防衛態勢を強化するよう促し、加盟国に対しては海軍艦船と軍用機の展開を要請している。 ソマリア沖での海賊行為は看過できない状況にある。とりわけ対テロ戦では重要性を増してきた。 内戦の続くソマリアがアフガン化しつつあり、国際テロ組織の拠点作りが進む一方、海賊行為が頻発しているからだ。 同海域は世界的要衝だ。イエメンとの間にあるアデン湾はスエズ運河に通じており、アジアと中東、欧州を結ぶシーレーンで、年間二万隻以上の船舶が航行、日本船舶も二千隻を超えている。 ところが政情不安なソマリアを拠点に海賊が出没、今年一月から九月までに七十九隻の船舶が襲撃され、このうち二十二隻が乗っ取られた。日本船舶は七隻が襲撃され二隻が強奪されている。九月にはウクライナの貨物船(船員二十一人)が乗っ取られた。同船の積荷はロシア製T72型戦車三十三両や武器で、海賊側は二千万ドル(約二十一億円)を要求。ロシアが艦船を派遣したが解決していない。 武器はケニア経由でスーダン南部の反政府勢力に渡す予定だったともされ(ケニア紙)、それを知ったテロ組織が乗っ取ったとの見方も出ている。いずれにしても海賊対策が焦眉の急なのだ。〜
(以降は新聞を御覧ください)
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