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  07-07-15 スパイ防止法7
 

スパイ防止法なし/陳腐な武器三原則

これでは日米同盟は破綻する

防衛策の抜本改革 急げ

 

【ポイント】

 スパイ防止法もなく情報は垂れ流し、武器輸出三原則によって同盟国間で共同開発もできず日本はカヤの外――このままでは日米同盟は機能しなくなり、わが国の安全保障は重大な危機に立たされる。日米同盟の強化をめぐって安倍政権は集団的自衛権行使の可能性を探っているが、問題はこれだけではない。自衛隊からイージス艦情報が漏洩したことで米国は最新鋭機の日本提供を躊躇しているほか、時代遅れの武器輸出三原則によって共同開発もできず、世界の自由諸国から日本は疎外されそうな情勢にある。防衛策の抜本改革が不可欠である。

 

【本文】

 自衛隊からの相次ぐ情報漏洩は深刻な事態をもたらしている。特にイージス艦の最高機密が漏洩したことを米国は重く受け止め、最新鋭ステレス戦闘機「F22ラプター」の日本売却に懸念を抱き始めている。

22は古くなったF4戦闘機の後継機として有力視されており、将来の日本の空の守りの主力戦闘機になる可能性が高い。レーダーに補足されにくいステルス性や機動性に優れており、中露もF22を凌駕する戦闘機を保有しておらず、米空軍の切り札となっているからだ。日米同盟を強化していくために航空自衛隊もF22を保有することが望まれる。

そこで今年4月末に開かれた日米防衛首脳会談で九間章生防衛相(当時)がF4の後継機種の選定作業を進めるため、ゲーツ米国防相にF22の性能情報の提供を求めたが、これに対してゲーツ長官は「情報保全は防衛省のみならず日本全体の課題だ」と述べるだけにとどまった。

 

■F22戦闘機も情報漏洩懸念

これについて産経新聞がアーミテージ元米国務副長官に聞いたところ、海上自衛隊第一護衛群(横須賀市)所属の2曹がイージス艦の中枢情報を持ち出した事件の調査が完了する必要があると指摘、「深刻でなかったら別だが、調査の結果、1987年の東芝の子会社、東芝機械のココム(対共産圏輸出調整委員会)規制違反事件のようだったら、事態は異なったものになる」と語ったという(6月24日付)。

 親日派のアーミテージ氏らは今年2月に「2020年までの対日戦略に関する報告」を発表し、その中でF22を航空自衛隊に提供し「最新鋭の戦闘機システムを利用できることを保障するよう努めるべき」としていた。同氏らは200010月に発表した「アーミテージ報告」で日本にスパイ防止法の制定を求めていただけに今回の情報漏洩事件に危惧を強めていると言えよう。

イージス艦はイージスシステムと呼ばれる世界最高峰の防空能力を有する護衛艦で、中露の軍事力を抑止する米軍の中枢的な艦船である。それだけに同システムは最高機密で米国が他国に供与しているのは日本とスペイン、ノルウェーの3国だけで、これが中露に漏洩していれば世界の軍事バランスを崩す大事件に発展しかねない。

 一方、東芝機械のココム違反事件では、同社は同時九軸制御が可能な高性能工作機械をソ連に輸出、それによってソ連潜水艦が静寂性を高めて西側諸国の対潜能力が劣化したとされた。このため米国は東芝に対して輸入禁止の制裁を加え、ホワイトハウス前では米議員らが東芝製ラジカセをハンマーで叩き割り、日米摩擦へと発展した。

今回のイージス艦情報漏洩もそれに匹敵する衝撃を米国に与えていると言ってよい。6月22日に日本記者クラブで会見した在日米軍のライト司令官は同事件について「非常に深刻な安全保障上の問題」と述べている。

にもかかわらず、日本側にはその深刻さがない。イージス艦情報だけでなく使用禁止の情報交換ファイル「ウィニー」から情報を相次いで漏洩させているほか、中国への無断渡航なども繰り返し「スパイ天国」を露わにしている。

 

■米議会の対日不信がネック

米国には現在、F22の輸出を禁止する軍事歳出法オービー条項があり、下院は昨年、これを削除することに賛成したが、上院は反対しておりF22はこのままでは対日輸出ができず、上下両院協議会で引き続き審議を進めている。

米議会調査局がまとめた「F22日本売却に関する報告書」によると、輸出解禁によって@雇用確保や量産化、コスト削減など米軍事産業にとり利益となるA最新鋭機を使った自衛隊と米軍の相互運用性が向上するB自衛隊のF22配備で米軍の同機を地域外に配備できるとの利点を指摘する一方、「不注意による米軍の技術や知識の漏洩は脅威になりえる」と指摘、イージス艦情報漏洩事件を「その一例」と警告している(毎日新聞7月6日付夕刊)。

さきほど公表された07年版防衛白書は情報保全について「秘密を保全することは国の防衛を全うし、安全を保持する上で不可欠な基盤であり、省を挙げて情報流出の再発防止に取り組む。国民の信頼を損なう事案が発生したことを反省し、再発防止へ断固たる決意で臨む」としている。

だが、情報保全はゲーツ長官が指摘するように「防衛省のみならず日本全体の課題」であるはずだ。スパイ行為を犯罪と見なさず(法規定がない)、言ってみれば別件逮捕でしか対応できない「戦後日本」が自衛隊に情報漏洩体質をもたらしたと言っても過言ではない。スパイ防止法を制定し国家・国民総ぐるみで情報漏洩体質を克服していかねばならない。

 

■防衛の国際協力推進/ステルス技術で貢献を

もうひとつ、日本の平和と安全を守る上で問題なのは、防衛政策が相変わらず時代遅れの武器輸出三原則に縛られていることだ。米国は軍事面での国際共同開発を進めており、このままだと日本は取り残され、防衛弱小国に転落しかねない。軍事アレルギーから一刻も早く脱却し、軍事技術面でも国際貢献を行っていく必要がある。

22はステルス性で優れているわけだが、忘れてはならないのはこの面で日本は最先端技術国に位置づけられていることである。

さる7月8日、米航空機大手ボーイング社の次世代主力旅客機「787」(通称、ドリームライナー)の一号機が完成し、ワシントン郊外の同社工場で御披露目が行なわれたが、機体の主力素材は日本企業の東レの最先端炭素繊維が使われているほか、主翼の製造は三菱重工が行なうなど、機体製造の約35%は日本企業が担当した。米国にとってはこれら技術を戦闘機に応用しないのは同盟国への背信と写る。

杉山蕃(しげる)・元統幕議長によると、米国はF35戦闘機の開発を英国とオランダなど西側諸国と共同で行なっており今後、国際的な共同開発の潮流が広がるという。ボーイング・エアバスの米欧両社とも機体製造は日本の化学繊維メーカーに依存しており、ステルス技術も特殊な合成繊維のもつ電波吸収効果にあるとされ、この分野でも日本の国際協力は必須となっている(世界日報6月27日付)。

 こうした国際協力を進めるには、武器輸出三原則を撤廃するしかない。政府はミサイル防衛(MD)の日米共同開発についてのみ例外扱いするとしているが、同盟諸国への提供は違反で、ステルス技術の提供もこのままではできない。

22戦闘機を購入して日本の空の安全を守ろうとしている国がその技術を提供しないという矛盾は滑稽以外の何ものでもないだろう。

そもそも武器輸出三原則は時代遅れである。1967年に佐藤内閣が打ち出したもので当初は@共産圏A国連決議による輸出禁止国B紛争当事国や恐れのある国−への輸出を禁じたが、76年に三木内閣が適用範囲を拡大し事実上、武器輸出を一切できなくした。「非武装論」に匹敵する不毛な原則で、冷戦が終わった現在、早急に撤廃すべきものである。

米国のみならずASEAN(東南諸国連合)は海賊対策として海上自衛隊で廃艦となった中古の駆逐艦を欲しがっている。それを時代遅れの武器輸出三原則を盾に輸出を認めないのは友好関係にマイナスなだけだ。こうした“平和自己満足”を続けていけば、日本は世界の孤児になるのは必定である。防衛政策の抜本改革が急がれる。

クョスコニョ    [1] 
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