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  2006-11-16 平成の御世に皇統の伝統を守ろう

「女系→天皇廃止」論の徘徊を許すな

 

秋篠宮家に悠仁(ひさひと)さまがお生まれになりました。国民こぞって待ちに待った親王殿下のご誕生です。男系・男子による皇位継承の維持によって皇統の伝統を守ろうとの国民の声が一段と高まっています。親王さまがご誕生されたことで政府が検討してきた女性・女系天皇容認を柱とする皇室典範改正案は事実上、廃案となりました。これは当然のことです。わが国の伝統を覆す「女系天皇」の道をけっして開いてはなりません。

 

[女系容認論の経緯]

0511月に小泉首相(当時)の私的諮問機関である皇室典範有識者会議が提出した報告書は、女性・女系天皇を容認する長子優先継承主義を打ち出し、2千年近い歴史を重ね125代へと受け継がれてきた皇統の伝統を断絶しかねない由々しき内容でした。女性天皇は推古天皇をはじめ8人10代おられますが、いずれも男系の女性天皇で、女系天皇は誰一人としておられません。しかも女性天皇は全員が未亡人か独身で女系の皇族を出産せず、幼い男子皇族の成長を待つまでの“中継ぎ”として即位しておられたものです。したがって男系が連綿と続いてきたのが、わが国の皇統の伝統です。

ところが、報告書はわが国の歴史や文化を顧みることなく、ジェンダーフリーの思想まで持ち込み「女性の社会進出も進み、性別による役割分担意識が弱まる傾向にあることは各種の世論調査等の示す」として、一般の家族観や男女の役割分担意識を直ちに結びつけられないとしつつも「象徴天皇の制度にあっては、国民の価値意識に沿った制度であることが重要な条件」と強調しました。答申は現代の“価値観”、それも文化共産主義のジェンダーフリーを天皇制に持ち込み、その主張に沿って天皇(男子)があたかも「性別による役割分担」であるかように記していました。これは伝統を顧みない、恐るべき文化否定論と言えます。

 

[皇統維持への代案]

この答申に対して三笠宮寛仁殿下は05年秋、福祉団体の会報に掲載されたエッセーの中で「世界に類を見ない我が国固有の歴史と伝統を平成の御世でいとも簡単に変更して良いものかどうか」と、女性・女系天皇容認論に疑問を呈されました。そのうえで寛人殿下は、皇籍離脱した元皇族の皇籍復帰や現在の女性皇族(内親王)が元皇族(男系)から養子を取れるようにするといった代案も示され、男系維持の検討を優先させるべきとされたのです。

また百地章・日大教授は、占領下のGHQの圧力の下、皇籍離脱のやむなきに至った旧11宮家(約550年の永い伝統を有する伏見宮家の家系で現皇室と血縁関係も近い家も多い)の中には現在も10人前後の男子継承者がおられるとし、皇室典範を改正して養子を認め、旧宮家の皇籍復帰で行ったりして適正規模の宮家を確保すれば「男系男子の伝統」を維持しつつ「皇位の安定的継承」をはかる道も開かれると指摘されています(産経新聞051126日付)。

このほか多くの識者から報告書批判と代案が提示されているにもかかわらず、政府は答申に基づく「女系容認」改正案を拙速に通常国会に提出しようとしました。しかし06年2月7日、秋篠宮紀子さまのご懐妊が公表され、これを受けて政府は改正案の国会提出を見送りました。

 

[女系歓迎の左翼の策動]

女系容認の皇室典範改正案を最も歓迎したのは左翼・反天皇制勢力だったことを忘れてはなりません。たとえば朝日新聞が読者モニターに「皇室典範改正」の賛否を問うた回答の中に「『天皇制をなくす第一歩』(茨城、56歳男性)という理屈もありました」(05年2月4日付・別刷『be』)と述べているように、賛成派には女系容認を天皇制廃止の前段とする考えが少なからず存在しているのです。

護憲を叫ぶ「9条の会」呼びかけ人で共産党の政権獲得に期待を表明している奥平康弘・東大名誉教授もその一人で、月刊誌『世界』(04年8月号)で「この(女帝容認)策は、天皇制のそもそもの正当性根拠であるところの『万世一系』イデオロギーを内において浸蝕する因子を含んでいる。男系・男子により皇胤が乱れなく連綿と続いて来たそのことに、蔽うべからざる亀裂が入ることになる」と強調しています。さらに奥平氏は「そんな、『万世一系』から外れた制度を容認する施策は、いかなる『伝統的』根拠も持ち得ない」と述べ、女系天皇で伝統根拠がなくなり、正統性のなくなった女系天皇の次には天皇制そのものの否定論へと“発展”していくと示唆し、「女系→廃止」という天皇制の“二段階廃止論”を訴えているのです

 

[許されない伝統破壊]

これに対して西尾幹二・電気通信大学名誉教授は「(天皇制度否定の共産党やその知識人らが)女系天皇の容認は制度のなし崩し的否定に通じると見て歓迎してさえいる。この道を進めば、恋愛や離婚の自由、退位や皇籍離脱の自由、つまり皇族の人権化を通じて天皇制度そのものを破壊できる。『万世一系の天皇』という歴史的正統性からみて疑わしく贋ものの天皇だ、と訴えることもできる」(朝日新聞0512月3日付)と危惧していますが、まさにそのとおりの主張を左翼系学者らが展開しているわけです。

したがって女系天皇容認論をけっして容認してはなりません。悠仁親王ご誕生を契機に男子・男系の安定的な継承が可能な皇室典範改正を進めていく必要があります。私たちの国は有史以来、男系の天皇をいただき、和の精神をもってお互いが一家族のように共に助け合って生きていく、良き伝統を継承してきました。男系継承を断絶させようとする伝統破壊を許せば、あらゆる伝統が消され、日本社会は恐るべき唯物闘争社会に陥るでしょう。

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