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  2006-12-05 有害情報規制

青少年健全育成法の制定を

大人が責任もって有害情報を規制しよう

 

子供たちが生命に対する尊厳を取り戻すためには有害情報の規制を急がねばなりません。最近の少年事件では「命に対する実感のないゲーム感覚」で凶行に及んでいるケースが後を絶たないからです。

 

[有害情報が少年犯罪を誘発した具体例]

現在、普及するインターネットやビデオ・DVD・ゲームソフトなどを通じ、残虐行為や性暴力などを子供たちは簡単に目にするようになり、こうした有害情報に触発された凶悪事件や性犯罪を招いています。06年秋に起こった北海道稚内市の事例のように、30万円で親の殺害を依頼する異常な行動も「ゲーム感覚」によると専門家は指摘しています。

子供たちは有害情報の加害者にも被害者にもなり、ネット社会の「負の側面」を一身に受けているのです。それに気づき一刻も早く対策の手を打つ責任が大人にあります。地方自治体は青少年健全育成条例を制定して防備に当たっていますが、全国一律かつ厳罰をもって臨める法整備は今なおなされていません。これは許されざる大人の不作為と言えます。

 有害情報がどのような犯罪を招いているのでしょうか。最近の少年凶悪事件の場合、次のようになっています。

 

 ■事例@−東大阪市の幼児傷害事件

 05年4月21日に発生した東大阪市の幼児傷害事件のケースは、同市・花園中央公園で遊んでいた幼稚園に通う4歳男児が、近づいてきた少年にいきなりハンマーで殴られ、頭の骨を折る重傷を負ったものです。加害少年は高校中退の17歳で、事件から20分後に自ら警察署に出頭し「老人以外なら誰でもいいから殺したかった」と供述しました。

加害少年が持っていた手提げ鞄にはハンマーのほか、牛刀や出刃包丁、スタンガン、アイスピックなどが入っており、「2年前から人を殺そうと凶器を買い揃えていた。男児の殺害に成功すれば、次は学校を襲って大量殺戮がしたかった」とも供述し、まかり間違えば児童大量殺人事件が発生していたと言えます。

 捜査本部によると、少年は中学時代にインターネットで子供の焼死体を見て興奮するようになり、人の死や殺人に興味を抱くようになりました。中3の秋(02年)頃から大量に人を殺す空想にふけり、高校中退以降、自宅のパソコンで残虐な遺体写真が掲載されたサイトを閲覧し、爆弾の製造方法などを研究。残虐サイトが大きな影響を与えていたのです。

 

■事例A−大阪府寝屋川市の小学校襲撃事件

 大阪府寝屋川市の少年凶悪事件は05214日、同市の中央小学校に卒業生の17歳の少年が侵入し、教職員3人を包丁で刺し男性教諭1人を死亡させたものです。

調べによると、少年は小学低学年の頃から『バイオハザード』という残虐ゲームに没頭していました。このゲームは仮想の街を舞台にナイフや銃でゾンビを次々と殺りくしていくもので、『バイオハザード』を現実世界で実行しようと犯罪に及んだと見られています。

 

■事例B−東京都の少女監禁・暴行事件

 05年5月11日、18歳の少女を3カ月間にわたって監禁、暴行を加えていたとして警視庁は無職の小林泰剛容疑者(24)を逮捕しました。同容疑者も有害情報からの刺激がもとで犯罪に及んでいました。

小林容疑者は兵庫県赤穂市に住む被害少女を東京のホテルにおびき寄せて監禁。鎖がついた犬の首輪を少女にはめ、「ご主人様」と呼ばせて性的暴行を繰り返していました。これが初犯ではなく、21歳の02年4月、北海道江別市で当時19歳の少女ら2人を2週間自宅に監禁し、熱湯をかけたり包丁で足をきったりして傷害罪で逮捕され、札幌地裁で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を受けています。その執行猶予中に再び事件を起こしたのです。

 初犯の際、札幌地裁判決は「根深い粗暴な性癖、常習性がうかがえる」としています。小林容疑者は高校時代からアダルトソフトゲームに熱中し、02年に逮捕された際、自宅には「調教もの」と呼ばれるアダルトゲームソフトが約30本押収されており、札幌地検は公判で「女性をだまして監禁し、意のままに陵辱する内容のパソコンゲームに興じ、同様に自己満足を得ることを考えた」と、過激なゲームが犯行を生来させたと指摘しています。少年時代に有害情報から受けた刺激が小林容疑者の犯行の“原動力”となってきたことは明からで、警視庁が札幌の自宅を家宅捜査しアダルトゲームのCD−ROM約1000本などを押収しました。

 

 ■事例C−佐世保市の女児同級生殺害事件

04年6月1日に長崎県佐世保市で起こった小6同級生女児殺人事件では、11歳の加害女児は中学生同士が殺し合う映画『バトル・ロワイアル』の影響を強く受けていました。加害女児が同級生を殺害した方法は、中学生同士が殺し合う『バトル・ロワイアル』という小説や映画の場面に酷似していましたが、女児はこの小説をよく読んでおり、事件の1カ月前に佐世保市内のレンタルビデオ店でDVDを借りていた。同映画は15歳未満の貸し出しを禁止しており、女児は姉の会員カードを使って借りていたと言います。小説も図書館から借りていました。

事件前夜の5月31日にTBS系で放映されたミステリー番組で殺害方法が酷似した場面があり、実に8回に渡ってカッターナイフで切りつけるシーンが放映されていました。また女児は自宅のパソコンでバイオレンス、ホラーなどのジャンルのインターネットサイトに頻繁にアクセス、『バトル・ロワイアル』など殺人、暴行を扱う愛好家のホームページにも頻繁にアクセスしていた記録が残っていると言います(毎日新聞04年6月3、5、9日日付)。こうしたことから有害情報から刺激を受け殺害方法を選んだと見られています。

 

■事例D−奈良市の小1女子児童誘拐殺人事件

041117日、奈良市の小学1年の女児が下校途中に誘拐殺害された事件では、逮捕された小林薫被告(36)は成人ですが、事件に至る要因は少年時代にあります。高校時代に初めてみた裏ビデオのロリコンアニメが忘れられず、それ以降、女児への強制わいせつを繰り返してきたからです。自室からは少女の裸などを映したマニア向けのビデオテープ約100本、雑誌や淫行本約20冊、さらに幼女や少女の写真を雑誌から切り取ったファイルなどが見つかっています。これが動機で女児誘拐殺人を犯しました。

 

[なぜ有害情報が少年犯罪を誘発するのか]

有害情報が凶悪犯罪を誘発させていることは明白なことです。専門家によれば、少年に親子関係なかんずく母親との歪な関係(愛情不足)があった場合、アダルト・ホラービデオなどの有害情報と共鳴現象を起こし、思春期の性衝動への自己抑制力が働きにくくなり、性倒錯、性的嗜好傷害へと進みやすいとしています。

 佐世保市事件の小6女児は児童自立支援施設へ送致されましが、同処分を決めた長崎家裁は加害女児の精神鑑定などを通じて殺害にまで至った「怒りのメカニズム」とそこに至った過程の解明に全力を挙げたとしています。それによると、そのメカニズムは・不快な感情を表現するのが苦手で・不快への対処法は怒りを抑え込むか、相手を攻撃して発散してか、に二極化しており・ホラー小説などの影響で攻撃的自我が肥大化した、と指摘しています。

 このメカニズムに至った過程について、家裁決定は家庭での親子関係にメスを入れ、「(両親の)情緒的な働きかけが十分ではなく、おとなしい手のかからない子として問題性を見過ごし」などと、親の愛情不足を挙げ、今なお両親の姿勢が改善されているとは考えられないとして加害女児を児童自立支援施設に送致し、行動の自由を制限できる強制的措置を2年間取れる保護処分を決めたとしています(06年9月、強制的措置を延長)。

この家裁決定から読みとれるのは、子供は親の愛を十分に受けないと「不快への対処法」が攻撃的となり、ホラー小説など有害情報からの刺激で一線を超えて凶行に及んでしまうということです。この相乗メカニズムで子供は凶悪犯罪に走るのです。ここから家庭(親の愛)と健全育成環境(有害情報の制限)の重要性が改めて浮き彫りになったと言えます。

 しかし留意すべきは、これらは少年凶悪事件が起こる度に指摘されてきたことです。少年凶悪事件の”原点“とされる神戸事件(97年)の加害少年(当時)は小学5年のときに、母親の厳しいしつけから庇っていてくれた祖母が亡くなり精神状態が不安定化し、中学生になるとレンタルビデオ店からホラービデオを借り、それを自室にこもって見続け、殺人妄想を高めました。また佐賀バスジャック事件(2000年)の加害少年は祖母と母から互いの悪口を聞かされ続け、自我が曖昧模糊となっていたときに、パソコンにのめりこみ、チャットで「ネムむぎ茶」の名前で「殺人こそ正義」などと書き込み、幻想と現実を取り違えるようになったのです。

警察庁がまとめた「少年事件の特異・凶悪事件の前兆に関する緊急調査報告書」(200012月)によると、凶悪事件を起こした少年25人のうちほぼ半分の13人が「報道、書籍などの影響(神戸事件報道、ホラービデオ、武器関係書籍など)」を強く受けていたとしています。

 親の愛情不足だった子供が内にこもってホラービデオやアダルトビデオを見続け、猟奇殺人に至った例は少なくないのです。80年代に少女連続誘拐殺人事件を起こした宮崎勤死刑囚や神戸事件、長崎事件の少年も、有害情報から刺激を得て凶悪犯罪に至ったとされています。

 98年に栃木県黒磯市の中学校で女教師が生徒に刺殺された事件で県教委の調査委員長をつとめた立正大学の楡木満生心理学部長は「ちょっとしたことで過剰な報復をしてしまうアンバランスな行動が、はた目には理解されないが、本人には積み重なったストレスがあり、最後の引き金となった刺激がささいなものでも衝動を抑えきれなくなっている」と指摘しています。この「最後の引き金になった刺激」について国立教育政策研究所の滝充・統括研究官は有害情報と見ており、有害情報を野放しにするのは「赤ん坊が刃物を持っているようなもの」と警告しています(読売新聞04年6月4日付)。

 

[野放しの有害情報の実態]

 もし子供の体を蝕む有害物質が社会に巻き散らかされていたとすれば、親や大人は黙ってはいないでしょう。子供がその物質に触れないように必死で防ぐはずです。では、心を蝕む有害情報にはどうなのでしょうか。有害情報は大人が想像する以上に子供たちに悪影響を与えているのに、大人はそのことに無頓着すぎるのではないでしょうか。

 有害情報が溢れている状態を「有害環境」と呼びます。たとえば、繁華街にはいかがわしい出会い系サイトやテレクラ、デートクラブなど性風俗店が氾濫しています。東京・渋谷駅界隈の公衆電話ボックスには性風俗店のチラシがところ構わず貼ってあります。看板も林立しています。コンビニや書店にポルノ・コミックやヌード・ポルノ誌が並べられ、ビデオ・レンタル店や電器量販店にはホラービデオやポルノ・暴力ゲームのCDやDVDが販売されています。自宅から簡単にアクセスできるインターネット上にはポルノ暴力サイトが何の規制も受けずに溢れており、さらにテレビには性や暴力を扱う番組が少なくありません。これらを総称して「有害環境」と呼ぶのです。

これら雑誌やビデオ・CDは海外の一般書店やコンビニでは厳格に規制されています。ところが日本では何ら規制も受けずに野放しにされているのが実情なのです。

 

[青少年健全育成法で有害環境にストップを]

有害情報の野放しを許すなと、地方自治体での動きも強まっています。神奈川県は残虐ゲームソフトを県青少年保護育成条例に基づく有害図書に指定し、05年6月に18歳未満への販売を禁じました。新たに有害図書に指定したのは、銀行強盗が市民を殺戮するといった内容の米国製ゲームソフト『グランド・セフト・オートV』です。県内で18歳未満への販売を禁止、店頭では一般ソフトとの区分陳列を義務づけました。違反すれば30万円以下の罰金を科します。これは全国初の残虐ソフト規制です。

 また東京都は05年、都青少年健全育成条例を改正しインターネットの有害サイトへのアクセス規制を行いました。インターネット接続業者に対し、18歳未満の青少年が利用する場合は有害サイトへのアクセスを阻む「フィルタリング」を提供する努力義務規定を設けたのです。これも全国で初めてです。

このように東京都や神奈川県のように地方自治体の大半は青少年健全育成条例などを制定して独自に規制に当たり、条例に淫行処罰規定を盛り込み、あるいは有害図書類の規制、有害自動販売機の設置規制なども行ってきましたが、それでも足らず、新たに神奈川県は残虐ゲームソフトを規制し、東京都はネットの優雅サイトへのアクセス規制に踏み込んだのです。

しかし、こうした規制を条例によって一部都県だけで行ってもその効果は限定的です。松沢成文神奈川県知事は規制を首都圏に広げるよう周辺の都県知事に呼びかけていますが、本来、こうした規制は法律によって全国一律に行なわねば効果が上がりません。条例はその自治体のエリア内に限定され、しかも罰則も厳しくすることができないからです。

これに対して有害情報はコンビニが全国に展開しているように、全国規模で駆けめぐります。情報化、車社会によって県境はあまり意味をなさず、ネットに至ってはまったく地域に縛られません。しかも条例は罰則が軽いので、罰金を払っても売った方が儲かると開き直る悪徳業者も絶えないのです。ですから、インターネットやビデオ・DVD、ゲームソフトなど次々に登場する新たな「有害図書」に対応するには、全国規模で網をかけないと意味をなしません。それゆえに全国一律に規制や罰則をしっかりと定めて子供を守る法律が不可欠なのです。

 他国では子供を有害情報から守る法律を制定するのが常識です。たとえばドイツは「青少年保護法」や「青少年に有害文書の頒布に関する法律」、あるいは米国ニューヨーク州は刑法の「未成年者にわいせつ物を流布させる罪」などで有害図書規制を行っています。どこの民主主義国でも有害情報を規制しているのです。それが表現の自由を侵害するとは批判されません。 

子供を守り健全育成する法整備を急ぐべきです。全国の自治体に条例によって各地域ばらばらに対応してきた青少年健全育成を国が一本化する意義は大きいものがあります。青少年健全育成法を制定することで有害環境をシャットアウトするとともに、青少年の健全育成を促す社会環境を整備することです。そのことによって国民自身の道徳基盤を再構築していけます。

 青少年健全育成法を制定しましょう。

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