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  07-08-15 参院選結果

■第21回参院選結果分析■

 

自民党、崖っぷちに/従来の基盤で崩壊現象

 

【ポイント】

 参院選挙は自民党が大敗したことで今後、政権交代の可能性を秘めた緊張した政治情勢が続くことになる。その行方を探る上でも参院選結果の分析が不可欠である。自民党の敗北は一過性の「風」によってもたらされたのか、それとも保守基盤に何か地殻変動が起こっているのか。また民主党は単に自民批判の受け皿になったのか、それとも政権交代可能な責任政党として認められた結果の勝利だったのか。以下に探ってみる。

 

(本文)

【自民党】

 今回、自民党は歴史的大敗だった。

自民党の得票率(衆参とも比例、以下同じ)と獲得議席を1996年以降で見ると、次のようになる(○勝利、●敗北・過半数割れ)。

96年(衆)33% ●239議席

98年(参)25% ●44議席

00年(衆)28% ●233議席

01年(参)38% ○64議席

03年(衆)35% ●237議席

04年(参)30% ●49議席

05年(衆)38% ○296議席

07年(参)28% ●37議席

これで見れば明らかなように自民党は実に過去十年の国政選挙では2勝6敗という散々たる内容である。38%で勝ったのはいずれも小泉ブームであり、それ以外はことごとく敗北している。それを公明党との連立でかろうじて補い、政権を維持してきたと言える。得票率が30%前半でも過半数を獲得できず、40%に迫る得票率を得なくては勝利・単独過半数がおぼつかないことが明白である。それが今回、小泉ブームで圧勝した01年、05年に比べて10%減、実に4人に1人が自民党から逃げ出し、28%の得票率しか得られなかった。大敗北は当然の帰結と言うべきだろう。

 

■地方の農村で雪崩的な崩壊

しかも、今回の敗北の仕方がきわめて特異的である。自民党の基盤であった地方の一人区で6勝23敗という歴史的惨敗である。これは89年の大惨敗(3勝22敗)に次ぐ。04年の敗北でも14勝13敗、98年の敗北でも16勝8敗だった。それが今回、6勝しかできなかった。ここに自民党の深刻さが読み取れる。

自民党は従来、都市部の敗北を農村部で取り返すというパターンで負け幅を最小限に抑えてきた。それが今回、機能しなかったのである。98年以降、農村型と言える1人区(29選挙区)で自民党が初めて負けたのは、山形、富山、石川、鳥取、島根、香川、愛媛、佐賀、熊本(01年から1人区)の9県にのぼった。四国は全敗、中国や九州でも相次いで議席を減らした。この結果、自民党が非改選も含めて議席ゼロとなったのは、青森、岩手、山梨、三重、滋賀、奈良、岡山、長崎の八県になった。地方における自民党の影響力はこれでますます低下するだろう。これら地域では得票率も大きく減らし、04年比で山形3・8%減、富山7%減、島根3・3%減、香川5・4%減などとなっている。

毎日新聞の分析によると、全47選挙区(都道府県)を@都市型(人口密度の高い15選挙区)A準都市型(次いで高い18選挙区)B農村型(低い14選挙区)と位置づけて選挙結果を見たところ、農村型で議席を獲得したのは福島、茨城、長野(以上、2人区)、鹿児島(1人区)の4選挙区のみである。2人区は民主党と議席を分け合う「無風区」にすぎなかったから、自民党が農村部の1人区で勝ったのは鹿児島のみだった(7月31日付)。

 

25都道府県で10%以上の差

準都市部で自民党は群馬、新潟、福井、和歌山、山口、大分の6選挙区のみ(新潟は2人区、他は1人区)。都市部では東京(定員5)で民主党が2議席獲得したのに対して1議席。千葉と埼玉、神奈川、愛知(3人区)ではいずれも民主党2議席に対して1議席にとどまり、民主党が圧勝した。

得票率で自民党が民主党との差を10%以上つけられたのは、北海道(18%差)、岩手(32%差)、宮城(16%差)、福島(16%差)、埼玉(14%差)、千葉(13%差)、東京(13%差)、神奈川(14%差)、新潟(15%差)、山梨(16%差)、長野(17%差)、静岡(12%差)、愛知(20%差)、三重(17%差)、京都(14%差)、大阪(11%差)、兵庫(17%差)、奈良(13%差)、和歌山(11%差)、岡山(11%差)、広島(13%差)、徳島(12%差)、高知(12%差)、福岡(12%差)、長崎(12%差)の25都道府県にのぼっている。全国のほぼ半分で自民党は民主党に10%以上の差をつけられたわけで、大都市部だけでなく地方でも逆転現象が進行していることが明白になった。しかも民主党の得票率が自民、公明両党の得票率を上回ったのは38選挙区(47選挙区中)にのぼり、与党完敗を如実に示している。

 自民党の獲得票数(比例区)を見ると、今回は1654万票だった。郵政解散・小泉劇場の05年総選挙では2588万票だったので、実に1000万票減ったことになる(ちなみに投票率は今回58%。05年総選挙67%)。自民党が1000万票台に低迷したのは、大惨敗した89年(参)1746万票、95年(参)1055万票、00年(衆)1694万票、04年(参)1680万票で、ここでも過去の敗戦時とほぼ同じ数字が読み取れる。

 自民党の得票数(比例)は次のようになる。

01年(参)2111万票

03年(衆)2066万票

04年(参)1680万票

05年(衆)2588万票

07年(参)1654万票

 自民党の浮き沈みの激しさを示している。敗北するときは1000万票台に間違いなく落ちるのである。

 

■無党派を取り込めずに失速

 なぜ今回、これほど自民党票が目減りしたのだろうか。朝日新聞などの出口調査によると(各紙7月30日付)、政党支持率は自民党35%,民主党25%、無党派20%で潜在的には自民党支持が以前、民主党や無党派を上回っている。ちなみ05年総選挙時の出口調査では自民党は41%、民主党の20%をダブルスコアで圧倒していた。それが今回、自民党はマイナス6%、民主党はプラス5%で、その差が半分になったとは言え、劇的な逆転はない。

 ところが、投票行動を見ると、まったく変わってくる。自民党支持者のうち実際、自民党に投票した人は61%(05年総選挙では73%)にすぎず、25%が民主党(同16%)、6%が公明党(同7%)に投票していた。選挙区では17選挙区(うち13選挙区)で自民党支持者の3割以上が民主党に投票、三重、奈良では実に4割が民主党に投票している。のつまり、従来の自民党支持層の実に4人に1人が民主党に鞍替えしていたのである。これに対して民主党支持者の87%が民主党に投票していた。

 無党派は自民党、民主党に次ぐ勢力で、その意味で日本の政治勢力は事実上、3党分割と言ってよく、その帰趨が選挙戦の行方を左右する(ちなみに出口調査で他党の支持率は公明党5・7%、共産党4・4%、社民党4%など)。無党派(20%)のうち自民党に入れたのは14%にとどまり(0533%)、これに対して民主党は51%(同37%)だった。民主党は無党派のほぼ半分を取り込み、これが圧勝の下支えとなった。

 このように見ると、今選挙は民主党が無党派との連合に成功したことで、自民・公明連合に圧勝したことがわかる。民主・無党派連合の勝利だったのである。

 

■民主・無党派連合が成立/勝利のパターンに定着も

【民主党】

 民主党は今選挙だけでなく2000年以降、一定の高得票率を維持し、安定した支持を獲得する政党へと成長してきており、今回の勝利は単に自民党の敵失によってもたらされたものではない。05年選挙で自民党が圧勝した際、「ダメなら次は民主」という声が多く聞かれたが、今回、自民党が変わらぬなら場合によっては政権交替にゴーサインを出してもよいとの国民の意思表示が示されたと捉えてよい。

民主党の得票率推移(比例・概数)は次のようになる。

00年(衆)36%(民主党25%・自由11%)2164万票

01年(参)24% 899万票

03年(衆)37% 2209万票

04年(参)38% 2114万票

05年(衆)36% 2480万票

07年(参)39% 2326万票

得票率が20%台に落ちたのは01年参院選だけで、それ以降は30%台後半を維持し続けており、自民党が2838%台を上下しているのと対照的であることに注目すべきである。

 

■偶然ではない安定した集票

05年衆院選では自民圧勝に目を奪われているが、小選挙区制ゆえに議席数は少なかったが、民主党は比例区で362480万票を獲得していたのである。あの小泉劇場の中でもこれだけの支持を得ている民主党の実力を見逃してはならない。今回、39・4%の得票率で60議席を獲得、参院で初めて自民党を第1党の座から引きずり降ろし、民主党は第1党になった。これはけっして偶然ではない。

民主党の獲得票は00年に初めて2000万票を上回り2164万票(旧自由党含む)を得たが、032209万票、042114万票、052480万票、072326万票を獲得し、01年を除くと2000万票台を獲得し続けている。これは驚異的な数字であろう。民主党が政権交代政党として国民に認められつつあることがわかる。

 

■国民の信頼はまだ得てない

ただ、政権交代に懐疑的な声は少なくない。朝日新聞の世論調査(7月3031日実施)によると、「民主党が議席を増やした一番大きな理由」を聞いたところ「自民党に問題がある」と答えた人が81%にのぼり、「政策に期待できる」は9%、「小沢代表がよい」はたった4%にすぎなかった。また「民主党に何を期待するか」では「与党の政策を改めさせる」が37%と最も多く、「期待していない」は33%にのぼり、「政権交代を実現する」と答えた人は25%にとどまっている(8月2日付)。読売新聞調査(同)では「民主党に政権能力があると思うか」の問いに「ある」36%、「ない」46%で、政権能力があるとする国民は少ない。

その意味で民主党は自らの力で政権を獲得できる信頼を手に入れてはおらず、政権交代可能政党の位置を確立しているとは言えない。民主党への政権交代の期待は留保付きと言え、今後、自民党が国民の期待に応えられる政党として再生すれば、民主党に出番は回ってこないだろう。自民党の出方待ちという弱さを依然として持っている。

 

■七七六万に凋落/公明は退潮傾向

【公明党】

 公明党が得票率13・2%で、得票数776万票であった。議席数は12からマイナス3の9議席に減った。神奈川、埼玉、愛知のいずれも三人区で現有議席を失った。公明党候補が選挙区で落選したのは89年以来、18年ぶりで、歴史的敗北と言える。01年以降の得票率・数は次のようになる。

0013・0%776万票

0114・9%818万票

0314・8%873万票

0415・4%862万票

0513・2%898万票

0713・2%776万票

得票率で見ると、0415%だったのが、05年、今回と続けて13%台に下落した。組織政党の強みは投票率に関わりなく、一定の票を獲得できることで、したがって投票率が上がれば得票率が落ち、下がれば上昇するという特徴をもつ。このことは01年以降の選挙で顕著で、常に800万台を維持してきた。05年総選挙は67%という高投票率だったので13%台に落ちたものの、900万に迫る得票を得てきた。ところが今回は様相が違った。投票率58・6%で700万台しか獲得できず、得票率は下がったままである。05年比で120万減、04年比で86万減である。これは00年時に逆戻りしたことになり、退潮傾向にあると言わざるを得ない。公明党の「不敗神話」がついに破られたと言ってもよい。

 

■新党日本が健闘/予想外の1議席

【国民新党・新党日本】

 今回、05年以来となる国民新党と新党日本が再び国政にチャレンジした。両党の得票率・数・議席(衆院は比例区のみ)は次のようになる

■国民新党

05年1・74118万票2議席

07年2・15126万票1議席

■新党日本

05年2・42165万票1議席

07年3・01177万票1議席

 ほぼ同勢力を維持していると言える。国民新党は自民党離党者が中心で一定の票を保持している。注目すべきは新党日本で、組織はほとんど持たず田中康夫氏の人気票が大半で、元共産党員の有田芳生氏らタレント的な浮動票狙いで一定の得票をしていることである。

 

■共産、社民で得票率12%/下げ止まらず最小勢力に

【共産党】

 共産党は改選5から3へと議席を減らし、選挙区では東京で失い、これで非改選を含め選挙区当選者はゼロとなった。改選前の参院での保有議席は9で、党首討論会に参加できる10議席を目指したが、2減で7議席に下がった。

 

■400万を維持、踏んばる共産党

共産党躍進ブームが起こった98年参院選での14・6%820万票15議席(比例8・選挙区7)をピークに下げ続け、前回04年選挙では比例で4議席獲得したが、今回は3に終わった。98年時には埼玉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の7選挙区で議席を得ていたが、その回復はまったくできず、東京で定員が4から5に増えたものの、議席獲得に至らず、党勢の衰えを象徴している。しかし、01年以降、400万台を維持しており、その意味では安定しているとも言える。98年以降の得票率・数は次のようになる。

981460820万票

001123671万票

01年7・91432万票

03年7・76458万票

04年7・80436万票

05年7・25491万票

07年7・48440万票

 

【社民党】

 社民党は前回比マイナス1の2議席のみの獲得で、非改選3と合わせて参院勢力は5議席の小数党になった。00年以降の得票率・数は次のようになる。

00年9・36560万票

01年6・63362万票

03年5・12302万票

04年5・35299万票

05年5・49371万票

07年4・48263万票

得票率では05年から1%減らし、ついに5%を割り込んで4%台になった。長期低落に歯止めが掛かっておらず、国民は政党としての社民党に遠からず引導を渡すと考えてよいだろう。

           ▽

 共産党と社民党が日本の共産主義政党である。両党の合計が日本の共産主義勢力のバロメーターになるが、両党計で今回は議席数5、議席占有率2%、得票率・数1196703万票である。01年時は議席数8、占有率58%、得票率・数1454%8、794万票で、それ以降、低落し続けている。日本における共産政党(共産・社民両党)は1990年代まで得票率20%台を維持してきたが、21世紀に入り14%台に下がり、10%の壁を破って一桁に落ちるのが一つの目安とされてきた。今回、11%台まで落ちたわけだが、依然として一定の勢力を保っており、共産政党の消滅にはまだ時間が掛かりそうである。

 

■無党派の動きが結果を左右

【総選挙への展望】

 今参院選で与党が参院で過半数割れし、法案成立がきわめて困難な状況に陥ったことで、安倍政権は解散総選挙に追い込まれる可能性が高まってきた。参院選での得票数を基にした衆院選(定数480)での各党の獲得議席の試算を新聞各紙は行っている(7月31日付参照)。

 参院比例での得票数を衆院選にそのまま当てはめると、こうなる。

■衆院比例選

・自民党  55議席

・公明党  25議席

・民主党  85議席

・共産党  10議席

・社民党   4議席

・新党日本  1議席

■衆院小選挙区

・自民党   34議席

・民主党   265議席

・社民党     1議席

■衆院全体の結果

・自民党   89議席

・公明党   25議席

・民主党  350議席

・共産党   10議席

・社民党    5議席

・新党日本   1議席

実際の選挙戦では与党(自民、公明)、野党(民主、社民、国民)ともに選挙協力が行われると見られ、また国民新党や無所属に有力候補がいるので、単純試算は当てはまらない。自公協力が100%働いたとすれば、与野党議席はこうなる。

■自公協力での結果

・与党    245議席

・民主党   220議席

かろうじて与党が過半数(240議席)ラインを上回ることになるが、今選挙でもそうだが、現実的には100%協力はあり得ない。与党は245が上限なのに対して、民主党は下限が220、上限が350議席までの幅があり、民主党の圧倒的な優位構造は変わりがないことがわかる。

自民党が次期総選挙で過半数を獲得する鍵を握るのは、無党派層をどう取り組むことができるかである。すなわち民主・無党派連合から無党派を引き剥がし、自民・無党派連合(05年総選挙のパターン)が成立すれば、圧勝できる可能性が出てくるだろう。

前述したように、日本の政治勢力は自民、民主、無党派の「3党」で75%を占め、公明(得票率13%)と共産政党(共産・社民12%)が25%という構図になっている。したがって政党連合としてもっと有効に働くのは無党派との連合である。今選挙での民主党の勝利は無党派連合の勝利にほかならなかった。

自民党は公明党にしがみつくことで無党派を民主党に追いやってきた嫌いがあるが、無党派(とりわけ保守無党派)の取り組みに成功すれば、不動の政権党になり得る。その意味で次期総選挙では自公連合、民無連合の帰趨がポイントになるだろう。

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